Prior Notice の「インポーター」欄と FSVPインポーターの違い
Prior Notice の「インポーター」欄と FSVPインポーターは同じものですか
いいえ、別のものです。 よく混同されますが、根拠となる規則も、記載する場所も異なります。
「FSVPインポーターを別の会社(代行業者)にお願いしているので、Prior Notice のインポーター欄にもその会社名を書けばよいですか」というご質問をよくいただきますが、通常はそうではありません。
記載先の整理
| 項目 | 記載される主体 |
|---|---|
| Prior Notice の「Importer」欄 | 実際の輸入者(米国側の所有者・荷受人。通常は米国の買主) |
| 通関エントリー(ACE)の FSVPインポーター(FSVコード) | FSVPインポーターを務める者の名称・DUNS番号・メールアドレス |
| CBP の Importer of Record(IOR) | 通関申告と関税納付を行う者 |
なぜ違うのか
Prior Notice(事前通知)規則(21 CFR 1.281)が求めているのは、「その貨物の実際の輸入者の名称と完全な住所」です。FSVPインポーターを書くための欄ではありません。
一方、FSVPインポーターは Prior Notice では申告しません。通関エントリーの申告時に、通関業者が「FSV」というエンティティコードで別途申告します。ここに、FSVPインポーターの名称とDUNS番号が入ります。
つまり、同じ「インポーター」という言葉が、別々の制度で別々の意味で使われているということです。
FSVPインポーターを代行業者にお願いしている場合の注意点
FSVP規則(21 CFR 1.500)では、FSVPインポーターは原則として「米国入国時点における米国側の所有者または荷受人」と定義されています。
米国に所有者・荷受人がいない場合に限り、外国側が指名した米国代理人(代行業者を含む)が務める建付けです。
そのため、次の点にご注意ください。
- 米国側の企業が、入国時点で貨物の所有者(買主)である場合 → 規則上は、その企業自身がFSVPインポーターに該当する可能性があります
- 日本側が入国時点まで所有権を保持する条件(DDPなど)の場合 → 代行業者の指名で整合します
取引条件によって結論が変わりますので、「入国時点で誰が所有者になるか」を前提に、代行業者または通関業者へご確認いただくのが安全です。
用語の整理
- Prior Notice(事前通知) … 米国へ食品を輸入する際、到着前にFDAへ提出する届出
- PNC … Prior Notice Confirmation。Prior Notice の提出後にFDAが発行する確認番号・確認書類
- FSVP … Foreign Supplier Verification Program(外国供給業者検証プログラム)。海外の供給業者が米国と同等の安全基準を満たしているかを検証する制度
- IOR … Importer of Record。通関申告と関税納付の責任を負う輸入者
- DUNS番号 … 事業所を識別する9桁の番号。FDA関連の手続きで求められます
ご不明な場合
どの欄に誰を記載すべきかは、取引条件と当事者の関係によって変わります。個別のご相談は、チャットまたはメールでお気軽にお問い合わせください。担当者よりご案内いたします。