米国で一般消費財を販売するのに必要な3つの書類
米国で一般消費財を販売するのに必要な3つの書類
化学品・日用品などの一般消費財を米国で販売する場合、通関と販売の両方をクリアするために、事前にメーカーから取り寄せておくべき書類が3点あります。
商品によって必要なものは変わりますが、この3点を最初に押さえておくと話が早く進みます。
| 書類 | 何のためのものか |
|---|---|
| 英文SDS(安全データシート) | 化学品の危険有害性情報。通関と、Amazon等の危険物審査で使います |
| TSCA適合の裏付け | 米国の化学物質規制に適合していることの証明。通関時に求められます |
| PFAS不使用の宣誓書 | 一部の州法で禁止されているPFASを含まないことの表明。販売可否に関わります |
1. 英文SDS(Safety Data Sheet)
まず名称について
「MSDS」は旧称です。 米国のOSHA(労働安全衛生庁)の現行制度では 「SDS(Safety Data Sheet)」が正式名称ですので、書類の表題も "SAFETY DATA SHEET" としてください。
求められる形式
- GHSに準拠した16セクション構成
- 英語で記載されていること
- 成分とCAS番号が記載されていること
- セクション1に緊急連絡先(Emergency telephone number)が記載されていること
使いどころ
英文SDSは通関だけでなく、Amazonの危険物(Hazmat)審査に提出する書類としても使えます。米国Amazonでの販売を予定されている場合は、早めに用意しておくと審査で止まりません。
よくある不備
- 表題が "MATERIAL SAFETY DATA SHEET" のまま
- シグナルワード(Warning / Danger)の記載の誤り
- ピクトグラムを表示しているのに「ピクトグラムなし」と書かれているなど、記載の矛盾
- 緊急連絡先の欄がない
日本のメーカーが作成した英文SDSには、こうした軽微な不備が残っていることが少なくありません。通関に支障が出るほどではないケースが多いものの、改訂の機会にあわせて修正を依頼しておくことをおすすめします。
2. TSCA適合の裏付け
TSCA(有害物質規制法)は、米国の化学物質規制です。化学品を米国へ輸入する際は、TSCAに適合していることを申告する必要があります。
SDSで裏付けられる場合があります
SDSのセクション15(規制情報)に "This product is listed on the TSCA inventory" といった記載があれば、TSCA適合の裏付け資料として使えます。
この記載がある場合、メーカーから別途「TSCA適合レター」を取り寄せる必要性は下がり、あればより確実、という位置づけになります。まずはSDSのセクション15をご確認ください。
通関時の証明書
通関の際に、TSCAの適合を示す書面の提出が求められます。この書面には輸入者の署名が必要になる場合がありますので、どなたが輸入者(IOR)になるかを事前に確定させておいてください。
3. PFAS不使用の宣誓書
PFAS(有機フッ素化合物)は、米国のいくつかの州で使用・販売が規制されています。品目によっては、取引先やプラットフォームから「PFASを意図的に添加していない」ことを表明する宣誓書を求められます。
宣誓書に入れておくべき2点
(1)対象範囲を明記する
商品本体の処方だけを対象にした書き方では不十分です。販売される製品全体——ケース・同梱物・包装材を含むことを明記してください。
(2)有効範囲の一文を入れる
「処方や材料が変更されない限り、上記製品のすべての製造ロットに対して有効」という趣旨の一文を入れておくと、今後の出荷分にもそのまま使えます。ロットごとに取り直す手間がなくなります。
署名と押印
メーカーの責任者による署名(および社印)をいただいて完成です。
なお、PFASは「宣誓書の書き方」の問題ではなく、実際に含まれているかどうかの問題です。含まれている場合の影響については、包装材のPFASと州法に関する記事もあわせてご覧ください。
準備の進め方
- まずメーカーへ 英文SDS・TSCA適合・PFAS不使用宣誓 の3点を依頼する
- SDSのセクション15にTSCAインベントリ収載の記載があるか確認する
- 宣誓書は、対象範囲(同梱物・包装材を含む)と有効範囲の一文が入っているか確認する
- あわせて、米国向けの英文ラベルを準備する
ご不明な場合
商品によって必要な書類は変わります。また、受け取った書類が要件を満たしているかの確認も承っております。チャットまたはメールでお気軽にご相談ください。担当者よりご案内いたします。