2026年夏の米国・EU関税まとめ|米国は合計12.5%方式へ、EUは150ユーロ免税撤廃

2026年の夏、米国とEUの両方で、越境ECに関わる関税ルールが大きく動きました。米国は7月24日から新しい追加関税(通商法301条)へ切り替わり、EUは7月1日から150ユーロ未満の少額小包に対する関税免除(デミニミス)を撤廃しています。

この記事では、米国・EUそれぞれの変更点と、越境EC販売者がいま実務でできる対策を整理します。

米国:7月24日から「301条」の追加関税へ

2026年7月24日(米国東部時間午前0時1分)以降に通関する貨物から、通商法301条に基づく新しい追加関税が発効しました。対象は日本を含む60カ国・地域です。

ここまでの経緯を簡単に振り返ります。

  • 2026年2月20日:米連邦最高裁が、IEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく関税を大統領権限の逸脱と判断。
  • 2026年2月24日:通商法122条による一律10%の暫定関税に切り替え。ただし122条には150日の期限があり、7月24日に失効。
  • 2026年7月24日:同日から301条関税に切り替え。追加関税は切れ目なく続いています。

日本への適用方式は、「一般関税率(MFN)+追加関税=合計12.5%」という差分方式です。一般関税率が12.5%未満の品目は差分を上乗せして合計12.5%に、一般関税率が12.5%以上の品目は追加関税ゼロになります。

従来の日米合意ベースの枠組みでは日本は「合計15%」でしたので、今回の12.5%方式で多くの品目において負担は下がる方向です。ただし実際の税率はお使いの品目の一般関税率により異なりますので、個別にご確認ください。

なお、232条(鉄鋼・アルミ・銅等)の追加関税対象品目などは別体系で、今回の301条の対象から除外されています。また経過措置として、7月24日より前に船積みされ、7月28日午前0時1分までに通関する貨物は対象外です。

参考:米USTR、日本含む60カ国・地域に301条関税賦課を最終決定(ジェトロ・ビジネス短信)

EU:150ユーロ未満の関税免除は撤廃済み

EUでは2026年7月1日から、150ユーロ未満の少額小包の関税免除(デミニミス)が撤廃されました。すでに施行中です。EU理事会が2026年2月11日に最終採択したもので、代わりに品目(関税分類)ごとに一律3ユーロの暫定関税が課されます。

ここで注意したいのは、3ユーロは「小包ごと」ではなく「品目ごと」という点です。同じ小包に複数の品目があれば、品目数×3ユーロになります。

この暫定制度は、EUの関税データハブが稼働するまでのつなぎとして2028年7月1日まで(延長の可能性あり)とされ、以降はHSコード・原産地に基づく本来の関税計算へ移行する予定です。さらに2026年11月からは、eコマース取扱手数料の徴収も予定されています。金額は1件2ユーロと報じられていますが、公式確定情報としては未確認です。

参考:EU、150ユーロ未満の少額小包に3ユーロの関税を課すことで合意(ジェトロ・ビジネス短信)

実務でできること

150ユーロ以上のEU向け貨物は、従来どおり通常の関税計算です。ここで有効なのが日EU・EPA(経済連携協定)です。原産地申告を付ければ、多くの品目で特恵税率(0%等)を適用できます。Cielo Expressでは、日EU・EPA原産地申告付インボイスの作成に対応していますので、EU向けの出荷でご希望の際はお気軽にお申し付けください。

また、Cieloの管理画面では、お荷物ごとの関税の「予測金額」を確認できます(関税額のみの予測で、VATや通関手数料は含まれません)。事前にコストの見当をつけたい方は、こちらの記事をご覧ください。

参考:関税の「予測金額」が見られるようになりました(Cielo Express)

制度の切り替わりが続く時期こそ、「自分の品目ではどうなるか」を一つずつ確かめることが何よりの備えになります。EPA原産地申告付インボイスのご依頼も、関税予測の見方のご相談も、一緒に確認いたします。


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